相手の中の自分
初心者の作業結果をチェックしている。
ちょっと見た限りでは問題ないのだが、ひとつひとつみていくと、注意事項を忘れていたり、もれ、というよりムラがあったりと、問題があれこれ出てくる。
これでもましといわれるかもしれないが、それにしてもレイアウトは基本スキルで、その上のプロジェクトマネジメントをやれる人材として給料を払っているのだから、これではまずいのだ。
しかも同僚としての採用であり、自分の部下ではない。
それでも教育しようとしているのはなぜだろう。
自分の中にまだ残っていたクリエーション力が、この人の中にある、可能性を見てしまっている。
もしかしたら・・・・という気持ちがぬぐえない。
またもだまされたと落ち込むのかもしれない。しかし、それでも小さくなっている可能性を引き出して、大きく成長する姿を見たい、希望を持って堂々と、その人本来の光を輝かせてほしい、そんな気持ちが、まだどうしても、ある。
あと、4週間。しかも2週間半は外部のセミナー参加でつぶされる。そのあとのわずか1週間半、10日間でどこまでいけるのか。案件をまかせられそうな安心感は得られるのか?
まだ少し、心配と希望の間を往復する日々が続く。
相手の中にはかつての、そしていまの自分が確実に息づいているのだ。