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個人的な生活と思索の記録です

都議会セクハラヤジ問題。そもそもこれって....

都議会セクハラヤジ問題。いろんな意見が出てきました。今や海外メディアも大きく扱っていて、さすがに少し恥ずかしいです。
しかしこの反応で、あまりにも多くの人に当事者感を持たせる話題だと確認できます。

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都議会セクハラやじ問題、抗議のネット署名4万人に
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/20/news091.html
→ 事件後、即座に起きた反応より。

わたしもいち女性として、署名の選択肢もありましたが、なんとなくもやっとした感じがして、いま現在、署名はしていません。

その理由は、以下の記事にも関係しています。

都議会全議員が謝るべき
http://blogos.com/article/88854/
→ 世の中の女性、男性、有権者に対して謝るべきとの意見

はっきり言います。
コミュニケーションは声による言葉だけではありません。また、経験もその場、リアルタイムによるだけではありません。人は声以外の表現からの方がより強くショックを受けることもあると思います。

塩村議員は涙しました。失礼ですが、健康な35歳の女性であれば公共の場で、しかも仕事中に涙を流すことはなかなかないと思います。

ヤジを飛ばした人たち、飛ばさなくても周辺にいた人たちは、塩村議員と向き合う形で座っています。もしかしたら、ヤジを聞きながら、ニヤニヤしていたかもしれません。(※どうやら相当数の皆さんが笑っていたらしいという報道がありました)
会議場のとある一角だけからでも、十分に強い刺激となります。また、知事が笑っていたくらいですから、他の会派の席の、とくに男性陣も、笑いの輪には加わっていたのではないかと考えています。そうすると、議場全体が一種のいじめの場のようなものですよね。

まったくの推察ですが、塩村議員は政治家としてはまだ経験も浅く、TVのバラエティー番組等に出ていて、当時の発言が刺激的であったこともあり、まじめに話を聞いてもらいにくかったかもしれません。あるいは、これもまったくの推察ですが、日頃の振る舞いで他の議員との違いが目立っていたかもしれません。

逆に、あのヤジを楽しんだ男性たちは、慣れた「職場」である会議場で、普段の財政や行政よりずっと「柔らかい話題」であり「自分たちとは関係のない話題」が始まり、「リラックス」していたかもしれません。(※これも勝手な妄想です)

彼らはとくに塩村議員をつぶそうとした訳でも、発言の内容に興味がある訳でもありませんでした。ひょっとすると、興味のない話題の中で、ちょっといじりやすい彼女が出てきて面白半分にいじっただけなのかも。(※本来、興味のない議題には参加しないというのは議員として責任放棄、権利放棄であり都民にとって大問題です)

その感覚自体がすでに、都全体の出生率少子化への無理解を表しているのだと思います。彼ら議員を選んだ側の意識もそこには映し出されていないでしょうか。(※たしか前回の都議会議員選挙の投票率は43.5%で史上2番目の低さでした)


しかし、わたしがこの話題を聞いて、最初に思ったのは、それでこの塩村さんは何を発信しようとしていたのだろうということでした。どんな問題点をとりあげ、何を質問し、どのような課題を明らかにして次に何を行動したかったのか。
それが既知の話題なのか、新しい視点で議会に問題を投げかけるくらいの話題があったのか。結局分からずじまいです。

つまり、ヤジを含め、いままでに発言している議員さんたちがどのように少子化対策をはじめ、そこから派生する数多くの問題について真剣に取り組もうとしているようには感じられないのです。

その、東京都、日本、集団単位での問題意識のなさが問題だというのは、海外メディアの方が敏感に反応しているようです。
海外からの批判で、正しく対応できるかどうかが、わたしの中では次の興味となっています。

ひょっとすると、日本人が変われる大きなチャンスがいま来ているのかもしれません。元来、日本人は、海外から指摘を受けることが大きな行動の要因になることって多いと思うのです。日本の中であれこれ議論しても、結局頭が切り替えられないのだから、これはいいチャンスなのだと思います。

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以下、リンクをいくつか挙げます

セクハラ野次@都議会事件に関する一般論による解説
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20140620-00036575/
→被害者たる塩村あやか議員の側の問題点(過去の言動や噂を背景に不信感)と、もう少し効果的なヤジにすればよかったのにという意見

ストレートに言うと、「遅れているんじゃないか?」:塩村あやか議員が出演したラジオ番組、『JAM THE WORLD』全文書き起こし
http://radiokoshi.net/archives/3078
→ それほどまでに政治の世界は遅れているとの意見

Assembly member loses bid to punish sexist hecklers
http://www.japantimes.co.jp/news/2014/06/20/national/politics-diplomacy/assembly-member-loses-bid-to-punish-sexist-hecklers/#.U6b8jo1_txF
→ ジャパンタイムズの記事。事件の内容と、社会の反応の大きさをRetweetChange.orgなどネットの反応でレポートしています。

Ending Japan’s sexism requires men to lean in, too
http://www.japantimes.co.jp/news/2014/06/21/business/corporate-business/ending-japans-sexism-requires-men-lean/#.U6b6uI1_txE
→ ジャパンタイムズの記事第2弾。自民党の女性活用を成長戦略の柱の1つとしていることが話題を大きくしているというところから、過去柳沢伯夫氏、森喜朗氏らの失言の数々を挙げ、現在進行中の世界的な女性のダイバーシティの潮流に言及。世界が日本の将来を危ぶむという、いささか不都合な事態に。

議会での野次、外国ではどうなっている? 「下品な野次飛ばし部隊」は民主主義に不可欠
http://markethack.net/archives/51926573.html
→ 他国は当たり前かもっとすごい野次。座席の形にもよる。

「質の高い質問」をした議員は誰か--今国会「国会議員質問力評価」1位から70位までの全議員名を発表
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takahashiryohei/20140617-00036440/
→ では、だれが議会でしっかり仕事を行っているかという公表。

Interview: Female Tokyo Assembly Member Reflects on Harassment
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/06/20/interview-female-tokyo-assembly-member-reflects-on-harassment/?KEYWORDS=japan+assembly
→ ウォールストリートジャーナルの塩村議員へのインタビュー。この状況を変えるには、より多くの女性議員が必要。