七月大歌舞伎『NINAGAWA 十二夜』

[Review]
7月もまた、歌舞伎を。蜷川幸雄演出は、期待どおり、幕開きからおどろかせてくれます。

つづく最初の場面の美しいこと。一気に引き込まれます。

今回は蜷川も、普段の舞台と違い、歌舞伎座の舞台がまるで映画のシネスコープのように横長で、ひと工夫が必要だったようです。

しかし場面の転換で回り舞台を回しまくりでしたな…(^o^;。ぜんぜんいいけど。

今月の尾上菊五郎一座は、…愛読の『バザー』誌によると、…歌舞伎一門の中でもコンサバな方で、今回の思い切った興行実施の決断は並々ならぬものがあったようです。

きっかけは以前菊之助（と実姉・寺島しのぶ）が蜷川の舞台に立ったことらしいです。他の一座に先駆けて『歌舞伎座で蜷川シェークスピア』を実現できたことはよろこばしいことと思います。

さて、ストーリは十二夜。いわずと知れたシェークスピアのロマンティック・コメディ。

主役の姫様が男装するだけでもたいへんなのに、菊之助はさらに双子の兄まで、計3役をこなしています。

台詞は幕間の声を聞いても、たいていわかりやすいね、と言ってました。今回に限っては、あまりイヤホンガイドは必要ないかもです。

わたし的にはまたもや脇をかためる方に注目。市川左団治、いい味出してます。おもしろい！もちろん、菊之助、がんばってます。

聞くところによると、今年は来月8月まで4か月間、現代演劇の演出がつづく、いってみれば歌舞伎新時代元年とのこと。3回続けてみた（たまたま…）わたしとしては、来月もぜひみなくては！という気になりました。