年始のあいさつで
引っ越したため、年賀状が遅れて到着。今年は手書きのメッセージが多くなった気がする。
一方で、毎年やりとりをしている医師になった中学からの同級生の連絡が今年はまだない。彼女は、小児科医である。昨年、母が手術する際に連絡をとろうとして、結局とれないままになっている。
あのとき、連絡がなくて、うらんでみたり、究極に忙しいのだからと理解しようとしてみたりしてみたものの、結局自分が落ち着いたのはつい最近、母と意思疎通がかなり元通りにとれるようになってからだと思う。
家族、とくに母の健康に問題が出たとき、自分は判断は恐ろしいほど冷静だが、視野は極めて狭い状態になる。パニックのとき、逆に落ち着くのは、自分でいやになるくらい、自分らしい状態だ。
しかし、そのときの考えはまったく浅かった。
頭では理解したつもりだったが、現在の日本の医師、特に小児科医の置かれた状況は、当事者でないと理解できないほど厳しいのだ。
自分が気を許した相手だからといって連絡を取ったことで、彼女の純粋な奉仕の精神はおそらく、自責の念でいっぱいになっていることだろう。
また、そうした知人友人からの依頼は彼女に日常的に降りかかり続けているはず。彼女が医師であり続ける限り。
以前再会したときに彼女がなぜ、小児科医を選んだかを聞いたことがある。「だって、小児科だけがその人全部を診ることができるから」
他の同級生同様、あまり会うことはないかもしれないが、陰ながら彼女を応援している。