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個人的な生活と思索の記録です

芝居好きの豊かな休日? 『十二月大歌舞伎』

[diary][Review]
ひさしぶりに行ってきました。歌舞伎座での歌舞伎です。3回目?
今回は一年ほど前から一度いっしょに行こうと約束していた、マイミクちゅーすけのお誘いです。
ありがとう♪

さて、日曜の夜の部。

■ 恋女房染分手綱
子役が出る、華やかな演目です。
今回は中村福助とその子息、児太郎が子別れの場面を演じます。つまり、姫の乳母が不義の子と偶然再会するが、母とは名乗れず、永遠の別れをするという感動的なもの。
わたしはお姫様の赤地の衣装が大好きで、見るたびほっとします。

船弁慶
2番目の演目は舞が多いですね。今回は単なる舞ではなく、能の舞でした。
メインは静御前平知盛の二役をやった坂東玉三郎
今回のお能の衣装の着付けはとても変わっていて、解説では「うつぼ」といっていましたが、その名のとおり、首の辺りをやんわり囲むようにしてゆったりと着る、なにやら厳かな感じの金色の衣装でした。

また、ここから勘三郎が太郎冠者のような位置づけで船頭役で登場。当然盛り上がりました。
今回わかったのですが、お能は歌舞伎よりも形式美を重んじるんですね。解説(わたしには必須♪)とともに出てくる船や荒波をわたる様子をお囃子であらわしたり、想像しながら見るのは本当にわくわくします。

それにしても玉三郎の所作は見るほどに美しい。周りの人たちも、玉三郎の姿を楽しみに来ているのがよく伝わってきます。

■ 松浦の太鼓
演目の紹介に「おめでたい」と書いてあったのに、赤穂浪士の出る忠臣蔵外伝とのこと、どういうことか想像できなかったのですが、吉良邸の隣に住む、大石内蔵之介(字あってる?^^;)の剣術の同門の友、松浦殿が討ち入りを心待ちにし、果たされたことを知ると喜ぶというもの。
当然、また討ち入り前の寂れた雪景色と、討ち入り後の朝の雪景色の明るさは対照的で、松浦の殿様(勘三郎)の愛嬌たっぷりのお殿様がまばゆい舞台です。

これって、めでたしめでたし、でおわるが、今風の感覚で言うと、めでたいのかどうか、よくわからなくなってくるところがまた興味深いです。
日本人は、こういう感覚を共有して、忠臣蔵を娯楽の一大テーマとしてきたのですよね。


今回は弥十郎さんが3作とも出演、フル回転で盛り上げてくれました。弥十郎さん、前にも扇雀との夫婦ぶりがたのしく、ファンになりましたが、ホントに油がのっているというか、たのしい方です。おつかれさまでした。


歌舞伎って回を重ねると面白さが増していくもののようです。

たとえば以前、大太鼓をどーーーんどーーーんどーーーんと低く静かに鳴らし続けるたたき方は、雪がふっているのをあらわしていると解説で知りました。今回、それが松浦殿の話ででてきて、すぐにあぁ、なるほど、と知ることができるわけです。
このような記号をたくさん知れば知るほど、より豊かな表現を堪能できるのではないでしょうか。

それにしても、1等席でイヤホンガイドを貸し出し、しかもお弁当となるとなかなかのイベントですね。


来年も行きたいものです。