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個人的な生活と思索の記録です

『ファンタスティクス』 〜 The Fantasiticks 〜

[Review]
以前、オフオフブロードウェイのお気に入り舞台『ファンタスティクス』についてお話したと思います。
昨年の3月宮本亜門が日本語舞台化したんですね。うっかりしていました。ていうか忘れていました。

その公式サイトのなかに詳しい解説があるので、あまりわたしがいろいろ語る必要もないかもしれません。

オリジナル『ファンタスティックス』について
http://www.fantasticks.jp/about_fanta.htm

以下一部引用:
【上演歴】
 1960年5月3日にオフ・ブロードウェイのサリヴァン・ストリート・プレイハウスにて初演されたミュージカル『ファンタスティックス』は、2002年1月13日に幕を閉じるまで、17,162回の公演数を数えました。1961年には脚本・作詞を手がけたトム・ジョーンズと、作曲を手がけたハーヴェイ・シュミットの業績に対し、NYドラマ・デスク・アワードを受賞。

なんと、2002年に終演していますね。これまたすっかり忘れていました^^; それにしても、17000回以上の公演とは本当にすばらしい記録ですね。

そして、
ストーリ
http://www.fantasticks.jp/story.htm

正直NYに行けば当然全部英語の世界。10年ほども前に2回も見に行って感動した話は、不完全にしかわからないものでした。(たぶん今も) じつは2回とも、途中で寝てしまったんです。われながらすごい根性…(その理由はあとでわかります)よく、マッサージとかで「寝てもいいですよ」という、あれと同じですね(言い訳)。

しかし、わたしにとっては、それはそれは大切な心に残る作品です。おそらく、あれほどあたたかい手作りの舞台は見たことがありません。そしていまストーリを読んでみても、わからないまま座っているわたしに、音楽が完璧なまでにストーリを理解させてくれました。
いるだけでできる感動。あたたかい涙。これは2006年の今になってもまだ、これを超える作品には出会っていません。

午後の公演を外で待つ間、すぐ脇にあった、楽屋に通じる入口に、コンビニ袋を提げて入っていく役者さんがなんともほほえましく、逆に、毎日続く公演を続ける役者さんの生活と一体化した舞台がすばらしくもありました。

時間となりチケットを見せて中に入ると、これまでの数々の栄光を示す写真や品々のための部屋が。すべてを十分堪能したころ、扉が開き、会場へ。

正面に向かって左側が入り口の扉です。
シートは簡単な20席くらいのいす席が前後2列、横に長く連なっており、後列は壁にくっついていました。
そして、前列中央の2mも離れていないあたりにぽつんとひとつ、台がありました。本当に、「Off-Off Broadway」なのです。 役者にはすべての客がよく見えています...!

あとは上記リンクのストーリに詳しいですが、有名なメインソング『Try to Remember』が流れる中を、最小限の、想像力を試すかのような道具で2軒の並んで建つ家を表現します。

話も役者も、なにもかも決して派手ではありません。決して刺激的でもありません。

ただ、2つの家の若者と父親たちが、人生で必ず通る道を切り取って舞台に運んできた。そんな舞台です。役者の衣装から舞台の色彩から、舞台と客席の関係、音楽や照明にいたるまで、緻密に丁寧に作りこみ、それが実現できたということが、ここまで大記録を作るまでにこの作品が愛された理由なのでしょう。

あの、ゆりかごの中のような、という表現はこのような空間をいうのだろうと、ぼんやりと思いながらたたずんでいた心地よいシアターの中を、久しぶりに思い出すことができて、幸せでした。


The Fantasticks ブロードウェイの舞台公式サイト
http://thefantasticks.com/

シアターの中に飾ってあった写真の一部はここで見られます。
http://www.thefantasticks.com/webpages/media.html


わたしが持っているCD(写真も)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001F7A/qid=1139835236/sr=1-3/ref=sr_1_10_3/249-7482611-3507503

これをみると、「オフ」ではなくて「オフオフ」だということが確認できます
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00004STPR/qid=1139835627/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-7482611-3507503

あれ、US版はとっても高いのね...