Vision is power. You can change the world!

個人的な生活と思索の記録です

インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論 (Intorduction to Integral Theory Volume I)

インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論

インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論

著者ケン・ウィルバーは、その半生を確認すると、学者ではなく、著述家あるいは思想家と言った方がよいようです。
インテグラル」とは、統合、統合心理学という独自の心理学を展開する中で、インテグラル理論を世に出しました。

冒頭のカラーページには、主な理論の主張する「発達段階(発達論的ライン)」の各レベルが並列されて比較できるようになっています。

この中にはもちろん、ロバート・キーガンの発達段階もあり、他と比較すると際立って低い段階まででとどまっています。
低い、といっても、上半分は超越した意識の世界ですので、キーガンの場合は、現実の人間意識のみを扱っていると言えるのではないでしょうか。

この本には、発達段階のみを扱っていると分からなかった、その他の意識の切り分け方、見方が紹介されており、それらを統合してみたときに初めて、人間の多層的で複雑な形が見えてくるようです。

それらは具体的には5つに分けられており、これらすべてを統合してとらえる枠組みとして、インテグラル理論は提供されているようです。

1. クオドラント Quadrants(象限) : フレームワークそのもの。イメージとしては面。
2. レベル Levels  : 発達段階の「段階」がこれです。イメージとしてはY軸。
3. ステート States : 意識状態。日頃から変化する気分やストレス下における意識の変化など。私のイメージではZ軸(奥行き)。
4. ライン Lines : 能力。各自がもつ能力や知性で、状況や文脈に応じて発揮するもの。私のイメージではこれがX軸。サイコグラフのイメージかも。(本文 p.108)
5. タイプ Types : 個々人の特性。性格診断、行動特性などはこれ。私のイメージでは別のレイヤー(シート)。


この本の冒頭に、ケンウィルバーの半生が描かれていますが、本当にいろいろあったが抜きん出た才能で、未だに執筆を続けておられるようです。これを読むだけでも得るものはあると思います。