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個人的な生活と思索の記録です

How to learn 仕事で使う英語...?

せっかく英語の話題が出たので、どうやって仕事で英語を使えるようになったかについて、わたしの体験を書いておこうと思う。
まず、わたしが英語好きだったけれど、旅行くらいでしか英語を使わなかったこと、それから仕事でマニュアルの翻訳に関わったりしていたことに言及しておく。いわゆる語学学習は好きな方で、米国で自分の英語のできなさ加減を知った後は通勤電車や乗り換えの隙間時間を使ってでも勉強しまくり資格取得に走ったくらいだ。それでもいざ、仕事に英語となると、一度リセットしてゼロから英語を学び直したくらいの体験だった。
悩んだ挙げ句の転職の際、自分は世界で自由に仕事をし、そこで出会う人たちと生涯にわたってお付き合いができるようになりたい、国境など関係なく行きたいところに行って人生を送れるようになりたいと思い、まずは外資系で確実に英語を使う仕事を選択した。
しかし転職の際の面接は大変だった。電話会議システムを通しての面接、まず電話会議システムに接続するための電話操作さえ、聞き取れなかった。指定の電話番号の後、「pound key」を押してください、という英語の案内の「pound」がよく聞き取れない上にどのキーのことかがわからない。もたもたしているうちに、携帯電話のほうに相手方から電話が来て、簡単に2、3のごく基本的な質問をされた。これもすべてたどたどしい短い回答をした。
そして、2、3分で切れた。もちろん不合格だと思った。そこを当時のリクルーティング担当者が説得してくれて次の機会の候補に挙げてもらえた。
2ヵ月くらい経ち、次の機会がめぐってきた。今度は日本人の面接者と初めて対面し、そしてその人の強力な推薦により、ようやく合格した。
やはり対面した、しかも言葉の通じる社員が言う意見は尊重される。
着任後もひどかった。ようやく初出社し、即日オリエンテーションがあった。San Joseから電話で。さらに上司になった人から電話で打ち合わせ。これもFloridaから。なんとか要点だけは、とついていく。
さらに、私の立場はベンダーで、今回は周囲に同じスキルを持つ人がいない場所。できませんとは決していえないことが皮肉にもその後長く弱点となる。

しかしそうしたポジショニングをあえてしたことで、転職後の立場は有利になった一方で、軌道に乗せるまでの大変さは推して知るべし、転職活動中からある程度集中して英語力アップが必要なことは自明だった。そんなわけで、対策として活動中から家庭教師を付けていた。
週1回以上会ってその日までにわからなかった言葉、フレーズを質問してニュアンスを確認、うまく言えなかったことや言いたいことを相談して英語にした。そして即、使った。履歴書については、教師だけでなく、2人の友達にも添削してもらいなるべくジェネラルなトーンにすることを心がけた。
着任後、この作業は加速することとなった。もっとわかるように、もっと伝わるように。わたしが言いたいことを。

最も知りたいと思っていたことは、表現だった。自分が失礼な言い方をしていないか、ぞんざいだったり丁寧すぎたりしていないか。日本語でいうところの敬語にあたる言葉は。翻訳関係の仕事をしていたときに学んだTechnical Writingの知識のほか、ボスや同僚が書いた英語の文章を読んで、どんどんチェックした。とりあえずメールはまねばかりした。
といっても、仕事が本格的になり始めると、ゆっくりメモを取っている場合でもない。4色ボールペンを使って、会議でわからない言葉が出てきたら、緑色でノートの端にメモった。後で辞書を引いたりして覚えた。
さらに覚えるといっても、記憶力が無くなっている。ノートを常に振り返ることができるくらいきれいに取ることも大切な工夫だった。
自分の仕事の仕方を失わないようにすることも大切だった。疑問はなるべくその場で質問。しかし大人数の電話会議でそれは至難の業だった。悩んでは意思疎通ができるようになった上司に個別に訴えた。
自分から疑問点を質問できるようになるのに2ヵ月くらい。ボスの指示を反復して確認できるようになったのが半年後くらい。それからなかよくなった上司と気楽に笑いながら会話できるようになったのが9ヵ月後くらい。10ヵ月後、昇進させてもらった。

あとは決まった会話のパターンや社内文化が飲み込めてきて、ずいぶん楽になった。
それでも、膨大なデータの海、Webコンテンツサーチでは苦しんだ。全部英語、どこから手を付けていいかわからない中、ともかく手にしたものから考える。しかしいまだにぱっとみて判断できるところまでは行っていない気がする。
同僚の存在は大変に刺激になる。彼らが英語をできても、できなくても、刺激になる。自分が脇目もふらずに電話の向こうに向かって英語でしゃべる姿をさらけ出さないとならない。発音、単語が違うなど、細かいことなど言っていられない。ともかくしゃべる。自ずと人として対等なかかわりになる。また、誤解を避けるために2重3重に言い方を変えて表現するのは走りながら身につけた知恵だ。

これまでやってこれたのは、自分の意見が海外の人たちに通った体験を少しずつ重ねてこれたからだと思う。人に認められるのは大変うれしいこと、自分の仕事の仕方、スキルがきちんとほかの国の人たちに通じ、価値を認められるのはすばらしいこと。しかし同時に、日本がグローバル社会で真に対等になっているなら、さらにタスクフォースやプロジェクト立ち上げを日本発で行うなど、踏み込んだ仕事ができるはず。APACの強いアクセントを避けてメールで済ませたりしてはならないし、米国その他のように電話での会話でどんどん仕事を進めてしまう文化の中で、時差のハンディの克服についても考える必要がある。

これから突き詰めなければならないことはこのあたりにある。
すべてはより高精細の言語能力とコミュニケーション、そして仕事へのコミットだ。